CXM-カスタマーエクスペリエンスマネジメントがもたらすもの
エクスポネンシャルな成長を支えるCX基盤 (Interop Tokyo 2017で話したことをまとめておくよ その③)
カスタマ―エクスペリエンスマネジメントはどのように進めればよいのでしょうか。
確立されたアプローチはまだ存在しないでしょうが、可能性の高いアプローチとして、カスタマージャーニーマップを挙げることができます。
企業・ブランドと顧客の接点を時系列に整理しまとめたものがカスタマージャーニーマップだとすると、その1つ1つの接点において、顧客・ユーザーの関与や評価を定量化ができれば、何らかの指針になることは間違いないでしょう。
我々は、そこにソーシャルメディアが利用できると考えています。
すなわち、「認知」、「興味・関心」、「比較・検討」といったフェーズの各々で、何が認知のトリガーとなったのか、その認知はどの程度ポジティブに受け止められたのかといった事象を、ソーシャルメディアリスニングの機能を使用して定量化し、さらなる分析につなげることができると考えています。

例えば、認知のための接点として、TV CM、新聞広告、バナー広告を実施したとして、どのアプローチに関する言及がどのくらいあり、またポジティブ・ネガティブといったセンチメント分析の結果を見ることで、各接点における施策の効果や評価をより客観的に実施できると考えています。従来のアプローチであれば、アンケート調査やグループインタビューなどが中心ですが、ここにソーシャルメディアを用いることで、より大きな集団に対し、リアルタイムに近い時間軸で、評価することが可能になるでしょう。し
さらに、ソーシャルメディアを活用することで、カスタマージャーニーに各フェーズに対し、より積極的かつ効果的な施策を打つことが可能になります。以下に、その例を紹介します。
【認知】
ソーシャルメディアからリスニングした情報と、CRM、DMP、Mobileアトリビューションなどの情報を組み合わせることで、よりきめの細かなターゲティングが可能になります。例えば、年齢的にターゲットから外れる人を排除したり、モバイルアプリをインストールしていても1か月以上使っていない人に絞って広告出稿したり、といった細かな出稿設定が可能です。
【興味・関心】
顧客時間を切り口に考えた場合、ウェブサイト、モバイルアプリ、ソーシャルメディアそれぞれでユーザーがどの程度時間を使い、インタラクションを持っているかを定量的に把握し、より積極的な対策を検討することが可能になります。例えば、モバイルアプリをデリートしてしまった人に、ソーシャルメディアから利用を促進するような広告を打つことができます。
【比較・検討】
Share of Voiceを見ることで、企業、製品、サービスの真の競合が誰・何か ということがリアルタイムで把握することができます。
【購入】
ソーシャルメディア上で呟かれている声を拾い、UGC(User Generated Contents:ユーザーが投稿したコンテンツ)をシェアすることで、購買意欲を刺激し、購買への後押しをすることができます。
【使用】
ソーシャルメディアを用いて、使用中のユーザーのための新たなチャネル・タッチポイントを作ることができます。例えば、消費財の利用者向けアプリにより、ユーザーの購買頻度や購買地域を理解し、購買に関する新たな示唆が得られる可能性が大です。また、カスタマーサポートの領域では、アクティブサポートはもちろん、ユーザー自身による問題解決を推進するための情報を収集し、サポートに関するエクスペリエンス全体を向上せることが可能になります。
【アドボカシー】
ユーザーに対するパーソナライゼーションを容易にし、1to1 マーケティングによりエンゲージメントを高めることが可能になります。
このように、ソーシャルメディアを活用することで、カスタマータッチポイントを定量的に評価するだけではなく、タッチポイントを拡充したり、エクスペリエンスの質を向上させたりといった施策を導き出すことが可能になります。